2017年3月21日火曜日

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2017年3月2日木曜日

マツダMPV LW3W 4駆 ミッション修理 後編

前編はコチラ

ミッション降ろし当日 大雪だ
交通機関も正常に動かず うちの会社の前の坂道で何台もスリップしている…

そんななか 友人が電車で到着
早速現車確認をしてもらう
作業として残っているのは、ミッションにつながるハーネスと配管の分離
トルクコンバーターとフライホイールの切断 エンジンとミッションの締結ボルトの切断
大きく分けてこの3つの作業だ
えぇ ここからは、ほとんど助手的な仕事になった
友人が持ってきた工具でパキパキとクリップッを外していく
自分は、友人の手元を明るく照らす
何かやらないと とは思うが、何からやっていいのか分からないのだ

そうそう
ちょっと ここでミッションを降ろすときの説明
大体の車は、エンジンとミッションと大きく2つのブロックがボンネットに収められている
この大きいものが四方4つのゴムで支えられているのだが
このMPV LW3Wは、そのうち3つがミッションにつけられている
と言うことは、ミッションを外すと 残り1つのゴムでエンジンを支えることになる
それはさすがにボディーに負担がかかるので
そこで登場するのが、エンジンホルダー と言う器具だ
あ、この修理の際にボンネットは邪魔だったので 取っています
で、フェンダーのフレームの所にブッとい鉄パイプを渡し
エンジンが落ちて行かないようにチェーンで固定します。
この器具 知人の鉄工所の廃材を活用して自作しました。


で、もう一つ ミッションを外したら降ろさなければなりません
これは単管を何本も買って組み立てて簡易クレーンを制作

これでミッションを支え、レバーホイストで降ろしていきます。
このためにチェーンとチェーンを切るクリッパ それにレバーホイストを購入
ミッションにはM6からM12サイズまでのメネジが切られているところがあったので
それに合わせてボルト丸環を何個も購入 ただ一番力の強そうなM12だが
細ピッチで一般的に売られているボルトは入らなかった。
仕方がないのでM6、M8 など3本くらいのネジ穴を活用しミッションをつりさげた

さて 実際に降ろす前に
切り離さないといけないものがある フライホイールとトルクコンバーター
これが結構強力に接合されているようだ
一般的にはフライホイールの歯車の刃にマイナスドライバーなどをかませて回らないように固定して
接合ナットを外すそうなのだが、
今回はエンジン側に出ているクランクシャフトのナットを長めのソケットレンチを地面に固定し
ナットを外した。

車をそんなに上げていないからなせる業だろう…
フライホイールとトルクコンバータの切り離しが完了した。
で、実際にミッションを降ろす。
友人に下にもぐってもらい 自分はレバーホイストで支持通り上げ下げする
どこか引っ掛かっていないか確認しながら…
どこか引っ掛かっていないか聞かれても 分からないので 大丈夫! と答えると
なんと友人がアースが外れていないのを発見してくれた。
おぉ~ 危ない危ない!
これで大丈夫! と降ろす事に成功するが 実はもう一つ水温センサーがこの時ブチ切れていたのは後程…
ゆっくりゆっくり降ろす
あまり車を上げていないので出口が50cm程しかない
そこで考えたのがデカイプラスチック材の上にクッションを置いてその上にミッションを降ろし
滑らせながら出す方法

これがなかなかナイスアイデア!
ズルズルズル っとミッションが出てきた!
丸裸になったミッションを見て感動! 外せるんやぁ!

話は変わるが、最近ディスカバリーチャンネルの名車再生!クラシックカー・ディーラーズ
と言う番組にはまっている
この番組では、色々な車の仕組みや構造 部品や修理の仕方など分かりやすく放送している。
えぇ! こんなに簡単にできるんや! と思うが
実際にはそんなことはない!
簡単そうに外している部品が固着して取れなかったり
やっている人は分かると思うが そんなにこの部品簡単に取れねぇよ と思っているはず
自分の中では、ボールジョイントは絶対無理!

さて、ミッションが外れたところで昼休憩
ガシガシに凍った道をもう一台の車で王将まで昼飯を食べに行く

場所を移して 今度はミッションをガレージに運び 暖かい状態でさらに
今回の修理の核であるシールの脱着まで行う

トルクコンバーターを外せは その問題のシールが出てくる
これだ

パッと見てもどこが損傷しているかわからない
引っ掛けてシールを取る
よく見ると 内径に傷が数本入っているように見えた これかぁ?
友人によると これくらいの傷でオイルが漏れ出すとのこと シビアだねぇ
新しいシールを打ち込む
これも気を使う作業 片っぽだけ入ってしまわないよう 均等に振り分けながら打ち込んでいく


もう一つシールを購入していたので友人にその交換もお願いする
それは、エンジン側のシールだ
これは、また フライホイールを取らないといけない
力がいる作業 友達には申し訳ないが…手伝う事しかできない

フライホイールを取るとエンジン側のシールが見えた
・・・ オイル漏れてるね…
どうやら こちらもオイル漏れが発生していたらしい
んでもって、こいつは、液体ガスケットも併用しなければ交換できない
3年前AFTのオイルパンを交換した時に買っていた液体ガスケットが役に立つとき!
古いガスケットを綺麗に清掃し 新しいシールに液体ガスケットを塗布し
エンジンにつけようとするが え? 紙パッキンってなんすか そんなのがあるの
その向きが普通に付けると逆になる…

そこは 友人が工夫して 標準通りにつけてくれた
自分一人でやってたら 絶対パニックになってるわ…

で、修理したミッションをエンジンに接合する
下側から通し、チェーンホイストで上げていく
ゆっくりゆっくり 友人がしたから確認してくれている
近くに来たら、エンジンのクランクシャフトと接合しなければならないのだが
これがまた なかなか中に納まらず往生しているようだった

なんにしてもシャフト系の接合は難しいし力もいるねぇ

エンジンとミッションの接合がある程度完了したようなので
これは、自分も部品を組付けていかないといけない と
エンジン系は友人に任せて 自分は足回り、プロペラシャフトの組付けをすることに
プロペラシャフトは、ばらした逆の順序で組み立てていった 簡単
次 ドライブシャフトだ 左側…
入らない… カチャン と音を立てて入るはずなんだが…
何回チャレンジするも 入らない 体力を消耗するばかり…
友人に ヘルプ…
すると ドライブシャフトが真っすぐになっていないから入りにくいのだと・・
正直、まだ足回りにはボーロジョイントを付けた状態だった
これを外すことで、ドライブシャフトの自由度が増すので これも外す
で、ドライブシャフトを真っすぐにして 押し込む 
何回かチャレンジしていると カチョン! と心地よい音がして
今まで以上に中に食い込むのが分かった
はぁ 入った!
で、外したパーツを組み立てていく…
右側も同じように ボールジョイントを外し こっちの方がシャフトが長くて重いんだよね
何回かトライし カチョン! 入った!

友人の方も エンジン回りの組付けがひと段落したようだ

もぉ 寒いし あとは 一人でもできるから 今日はこの辺で終わろう
と解散

まぁ あの寒い中 よくやったわ・・・

次の日
実際にエンジンの始動を行うわけなのだが
ATFを補充しながらセルを回さなければならない
まず ATFレベルゲージからあふれるくらいATFオイルを入れる
セルを回す ドキドキ…
キーを回してみる… チーン と音がしてそのまま動かない…
かなりパニック 壊れたか!
電源系統の配線をもう一度見直してみよう と バッテリーをもう一度外す
問題ないようだ
えぇ? 不安になりながら もう一度バッテリーをつないで
キーを回してみる
すると キュルッ キュリュッ と2回転ほどで動かなくなった。
でも 回った!
これは たぶんATFを吸ったからだと
また ATFオイルを補充する さっき溢れる寸前まで入れたのにゴクゴク入る
で、またセルを回してみる 2回転で止まる
で、またATFオイルを補充する
それを4回ほど繰り返していると
5回目に不安定だけど エンジンが回り始めた
多分トルクコンバーターにATFが充填されたんだろう
一回エンジンを切ってさらにATFを補充する今度はレベルゲージを見ながら
で、さらにエンジンをかける
今度はスムーズにエンジン始動
おぉ~! 直った!
が、メーターにあるエンジンの警告灯が点灯したまんま消えない
そして いつまでたっても温度計が上がらない
まぁ それでもエンジンは回っているんで
とりあえずテスト走行をかねて会社から自宅まで戻ることに



10km位の走行なんだが 車の機械音やロードノイズに神経集中してて
ちょっとフロアで「パキッ」って音がしただけでビビる
そういや ココ増し締めしたっけ… って何か所も気になる

よく車やバイクなどのボルトの頭からマジックで線が入っているが
あれは色々な意味があって
既定のトルク値で締めましたよ っていうのと 振動なのでゆるみがあったら線がズレるので
分かるように見える化の為でもある
その重要性に大いに気づく

いやぁ 整備士っていう仕事の責任の重さを痛感しました
自分でやるとこんなに不安なのに そこを確実に安心して乗れるところまでをやってくれる
スゴイ職業だと思いました。

で、走っても走っても上がらない水温計ですが
またまた友人にヘルプの電話入れたら MPVの水温計センサの場所教えてくれて
ボンネット開けて その箇所見に行ったら なんと センサとケーブルがブチ切れていた
あぁ ミッションを降ろすときにブチ切れてしまったのは想像できた。

そしたら 友人がすかさず追加のメッセージくれて 自宅の近くにMAZDA部品センターがあるはずだから
そこに この部品番号ください って言ったら 在庫有ればその場でくれると思うよ と言われ

翌日 一応朝一で部品センターに電話をかけ 在庫を確認し 取りに行った。
「増し締めが不安なまま」

途中道中 いろんなところから いろんな音がして 遠くから近づいてくるヘリコプターの音にもビビる
何回も安全地帯に止まって 下回りを確認し 問題が無い事を確認し
また走り始める という繰り返しで
なんとか 会社にあるピットまでたどり着いた…

で、まず 水温計センサの交換を行う
次、フロントタイヤを外して 足回りの増し締めを行う
そして、トルクチェックしたところは ボルトにマーキンをしていく
これで締め忘れを防げる 

そして、エンジンをかけると メーターのエンジン警告灯も消えていた


修理を行ってから 2ヶ月近くたった現在
オイル漏れも完全に止まり エンジンも快調

もうすぐ15年目を迎えるMPVだが まだまだ現役で走れそうです。
今度は、岡山国際サーキットまでMVアグスタF4 載せていかなあかんし まだまだ使うからね…