フィールイメージ小林です
9月12日(水曜日) 今日は奇跡の一本松が伐採される日である。
前日、1000km以上走行し くたびれた状態で宮城県 泉パーキングエリアで
テントで寝ていたところから始まる。
目覚めたときには、すでに日ものぼり、明るかった・・・
ヤバい… 寝すぎた…
時計を見たら朝の5時30分を回っていた。
誰かに聞けばいいのに まだ 伐採開始時間を知らない僕は
多分9時くらいから始まるだろうという想定で動いている。
陸前高田にあと3時間で行かなくては…
あと高速1時間半、下道1時間半 を想定
急いで、テントを畳んで身支度し、バイクを高速本線に乗せる
夏の朝を走るのはとても気持ちがいい
早朝と言うこともあってか、車の量も少なく 快適順調に距離を伸ばす。
目的インターチェンジ”一関”の一つ手前の金城PAで下道仕様に体制を変更する。
防寒対策のカッパを脱いで、ETCの起動を確認して… そして、道が分からないので
スマートフォンGALAXY noteをハンドルバーにセッティング
少し走ると一関インターチェンジだ・・・
よくぞここまで走ってきたものだ・・・
走行距離も1300kmとなっている。。
さぁ あとは 下道264号線を激走だぜぇ!!
と、下道に入った途端 結構 車が多い
通勤時間と重なったようだ…
とりあえず 気仙沼の看板を目指して走る・・・
太平洋に近くなればなるほど ダンプカーの台数が多くなってくる…
これがさ・・・ また 遅いんですよ・・・
機動力のあるリッターバイクだと 非常に苦しい存在…
抜くに抜けない。。。 時間はどんどん経過していく・・・
太陽もぐんぐんのぼり、気温も上昇していく…
下道に入って1時間ほどが経ったとき・・・
道に迷いそうになったので
スマートフォンの電源をオンにしてみた。
通常、省エネのため 充電しながらスリープ状態にしているのだ
電源は、ヒューズボックスから分電、給電している。
要は、バッテリー充電も同時に行っているため 電池は心配していなかった。
ところが、そういう完璧な状態にもかかわらず スリープから回復してみると
バッテリー残量3%・・・ 充電を行ってください と出る・・・
はぁ???
電池のアイコンを見ても 充電しているマークになっている・・・
これは、またまた まずいぞぉ・・・
電池が0%=見知らぬ土地で地図が無い・・・=先、真っ暗・・・
どうしよ・・・ どうしよ・・・
トラックの後ろで 元気のないまま しばらく走行する・・・
実は、荷物の中にスマートフォンの予備電池を入れているのだが、 極力使いたくない・・・
本当にいざと言うときのために・・・
道の駅的な場所があったので そこに入って 残り3%で、道を覚える・・・
そして、逝ってしまった・・・
後は、充電に徹しよう・・・
っていうか なんで こんなに電池が早く亡くなったんだ・・・ 高速降りるときは80%以上あったのに…
これは、帰ってから気づいたことなんだけど どうもスマホ本体の熱暴走防止機能が働いているみたいです
直射日光をずっと当たっていると 本体温度が上昇して 充電を制御しているみたい
また、NC700XにはメットインBOXがあって そこに色々荷物を入れるんだけど
そのBOXすぐ前がエンジンなので、結構中が熱くなる・・・ これも充電できない原因のよう…
まぁ この充電トラブル これから先 ずっと悩まされることになるのだが・・・
さて、マップを地図の中に叩き込んで いざ出発!!
数百m走ると バイパスが横切っているのが見えた
上を走るバイパスの看板には、陸前高田○kmと書いてある。
やった!! これを左か!! とバイパスの手前で左に曲がった…
ところが・・・ 走っても 走っても バイパスと合流しない・・・
いや・・・ っていうか 逆に 離れていっているような気がする・・・
それでも イヤイヤ・・・ この道は きっと下道なんだよ・・・ と言い聞かせながら 走り続ける・・・
走り続けること 10分・・・・
さすがに おかしい・・・ どんどん 田舎になっていく・・・
出力を弱めて、村集会場みたいなところにバイクを止める・・・
ここどこ・・? スマホの充電は少しはできているだろうか・・・
と、電源を入れてみる・・・ が応答が無い・・・ うんともすんとも・・・
あれから30分ほど経っているのに充電できていないということはどういう事なんだろう・・・
仕方ない 奥の手・・・ 新しい電池に交換して現在地を知ることにした・・・
そこで驚愕の事実を知ることになる・・・
「先数キロで行き止まり・・・」
まじかよぉ~~!!
伐採時間が迫っているのに とんでもないロスをしてしまった!!
時計を見たら8時30分を越えている・・・
おいおい・・ もう 手を付けているかもしれない・・・
ここまで来て・・・
手を作られていない「奇跡の一本松」が見ることができないのか・・・
今まで、「見れたらいいな・・・」という軽い想いだったが
今までの苦労と失敗を思い起こしたら 急に
「俺は、一本松を見るために走っているんだ!! なんとしても 手の付けられていない一本松を見るぞ!!」
と、目標が明確になっていた!!
と言いつつ、スマートフォンの電池は、また死んだ電池に入れ替えて 充電モードにしっかり切り替え、
泣き泣き、来た道をぶっ飛ばす・・・
その事件があった場所はこちらカイハツ生コンから左へ
元の場所に戻り、少し先に進むと ちゃんとあった・・・
バイパス入口・・・
この事件で、30分の時間ロスをしてしまった・・・
気持ちが焦る・・・
バイパスに入って、いくつものトンネルをくぐり、峠を超え・・・
海が近いと分かる岬に出てきた・・・
宮城は、リアス式海岸だから すごい道も入り組んでいる・・・
そういう、岬峠を走っていると 突然 開けたところに出てきた・・・・
そして、本当に何もない だだっ広い中に そびえ立つ 「奇跡の一本松」・・・
出会えた!!! と思った瞬間に なんだか分からないけど 涙が出た・・・
その 一本松の存在感なのだろうか・・・ それとも 苦労が報われたことなのだろうか
それとも、被災者を支える そのオーラなのか・・・
見た瞬間と言うのは、それほどインパクトが強い
ワンピースで言う「覇気」ってこんな感じなのかも・・ っとも思う・・・
奇跡の一本松の存在感を噛みしめながら
近くまでバイクで走らせる。
ニュースでは、伐採当日は多くの訪問者があるから 駐車場など準備する と言っていた。
すぐわかった。
本当に申し訳ないが・・・ 本当に何も無い更地になった所に 「奇跡の一本松駐車場」と書かれている
駐車場の片隅にバイクを置き、カメラを持って 「奇跡の一本松」を目指す。
駐車場からは1kmほど歩かなければならない
目の前に広がる 悲惨な状況下にそびえ立つ「奇跡の一本松」
改めてみると やっぱり異様なオーラを放っている
「とても死んでいるとは思えない」
その前に まだ 手が付けられていない! 「逢えてよかった!!」
きっと、僕は まだ変わることができる・・・
そう思った。
周りを見渡してみると 結構見物も多いしメディアも 多い
ヘリコプターもメチャメチャ低空飛行で3機ぐらいが1本松の周りを巡回している
「職人がチェーンソーで伐採する前に プロペラの風で折れるぞ!」 って言う位 接近していた
「奇跡の一本松」に到着して しばらくしていると
何やら、職人さんが準備をし始めた。
リフトを動かしたり、チェーンソーの試運転したり・・・
このチェーンソーの音が、また 悲しく響くんですわ・・
しかも、仕事病だね・・・ 良いチェーンソー使ってるなぁ・・ エンジン音とチェーンの回る音がスゴイ上品・・・
医者でいうと 良いメスを使っている と言う感じ・・・
と、チェーンソーの試運転に誘発されたのか
僕よりもっと奇跡の一本松に近い人たちが叫びだす
「一本松ぅ~!! 今までありがとうぅ~!!」
「一本松に力もらったぁ! ありがとう~!」
いろんな叫び声が飛び交う。。
そういう姿を見て、胸の奥が熱くなる。。
そして、職人2人が乗ったリフトが一本松の枝を目指して上昇する・・・
いよいよか・・・
それに合わせて、ヘリコプターもどんどん寄せてくる・・・
超うるさい!!!
3分ほど 枝の周りを確認し また地上に降りて行った・・・
あぁ・・ まだだったかぁ・・・
なんだか ホッとしたような、切ない気分だ・・・
で、再び、リフトが上がっていく・・・
今度は枝ではなく 本木の方だ・・・
切断される時に なるべく幹を傷めないよう クレーン車からワイヤーと保護材で重力を無にする作業が行われている
っていうか ヘリコプターの音で 何も聞こえない・・・
どうやら チェーンソーが入ったようだ・・・
途切れとぎれに チェーンソーの音がする・・・
作業に20分ほどかかったか・・・
その時に撮った映像がこれだ・・・
何とも モノ悲しい
で、 これも広島に帰って分かった事なんだけれども
その時の新聞を見たら 小っちゃいが 自分が写っていた。
ビックリ・・・
下の写真と比べてみて! 僕の位置が分かるよ
伐採された一本松は、一端 トラックに載せられ・・・
ん? 入りきらないようだ・・・
なので、更に、地上に下され、 地上での分割作業が始まる。
何本かに分けられ、 1本ずつ トラックに載せていく・・・
と その途中、 枝と枝がぶつかり合って ボキボキボキッ! と音を立てて折れていく・・・
結構 豪快なんだね・・・ 細かい所まで保存するのだと思っていた。。
作業が終わるまで見るのも考えたが、 「生の奇跡の一本松を見る」という目的は達成した。
よく考えると、陸前高田の被災はかなりひどいと聞いている。
24時間テレビの企画で嵐の桜井君が訪れていた高田高等学校も見ておきたい
陸前高田を回ってみよう。
バイクに戻ろうとする。
その間に撮った写真を紹介します
駐車場に帰ってくると バイクが増えていました。
この方々も 被災地回りのようです。
堺ナンバーと京都ナンバー
特に堺ナンバーのバイクは 相当キている・・・
何のために後ろに携帯電話がステーで固定されているんだろう・・・
そうこうしていると 一方のスクーターの方が帰ってこられて
少しだけお話をした。
どうでも 大阪から仙台までフェリーで来られたという・・・
その時 気づく・・・ あぁ・・ その手があったか!!
ナニ? 広島から普通に高速で来たの?? よくやるね・・・
いやぁ 本当に頑張りました!!
次回、陸前高田被災地に入ります。
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