2012年9月26日水曜日

NC700Xで行く被災地回り④ 「被災地を見て回る その目的を考える 陸前高田」

フィールイメージ 小林です。
陸前高田での走行を動画と写真でまとめてみた。
写真は、クリックすると大きいサイズが見れます

奇跡の一本松から離れ、山のほうへ行ってみる。
陸前高田
本当に 何も無い・・・
テレビで見覚えのある スーパーが見える。

行ってみよう。

ここで、初めて 津波の恐ろしさを知ることになる。
陸前高田ショッピングセンター マイヤ
正直な話、 道は整備されていて がれきも一箇所に固められている。

要するに、人の手が付けられているのだ。
が・・ まだ 更地に建っている建物の中は人の手が付けられていないのだ。

屋上で難を逃れた人の恐怖を感じることができる。

ありえない箇所に、ありえないモノが引っかかっていたり、
陸前高田ショッピングセンター マイヤ天井

奥に見えるエスカレーターもボロボロ…
陸前高田ショッピングセンター マイヤ エスカレーター

1階部分 中心少し右に引っかかっているトレーナー 1年半もあの状態なのか…
がれき一つ一つにさまざまなストーリーを感じさせられる…
陸前高田ショッピングセンター マイヤ

次に行ったのが 陸前高田市民会館
そこまでの走行映像はこちら

こちらも 心が痛い・・・
陸前高田市民会館

書類が山積みにされ、めっちゃくちゃの状態
陸前高田市民会館

向かいの陸前高田市役所
3階建てなのに すべての窓が跡形も無くなっている。
陸前高田市役所

陸前高田市民会館から見た ショッピングセンター マイヤ
maiya

陸前高田市民会館から写真に見えるキャピタルホテルまで 何もない…
有るのは、がれきの山だけ・・・
googleマップでは この記録を書いている現時点では、まだ被災前のマップが出ているが
この間には、ローソンとかドラッグストア それに電車も走っていたようだ。
まったく あと影も無い
陸前高田 被災地

きっと ここには母と子供の像があったんだろうな…
陸前高田 母と子 銅像

そして、次に向かったのが陸前高田市民体育館
ここも よく新聞やテレビで紹介されているところだ
まず、先ほどの陸前高田市民会館から陸前高田市民体育館までの
道のり動画です

道のりの動画を見てもらえば分かると思うけど
普通の街を走っているのと 間違いなく違う その雰囲気が伝わりますでしょうか…

まず 目に入ってくるのは、放置された原型の無い車です。
プリウスでしょうか…
陸前高田市民体育館 車

こっちが正面でしょうか・・・
ひどい状態だなぁ… とカメラを構えているのですが・・・
近づいていくと もっとひどい状態・・・ 思わず息をのむ惨状を目のあたりにします。
陸前高田市民体育館

なんか 奥に車が見える・・・ どうやって入ったんだ・・・ 思わずそう考える時間でした。
陸前高田市民体育館

裏側に行ってみました。
そこで、呆然となりました。

確か、ここでは 屋根の骨組みに上り 助かった方がおられる と聞きました。

想像を絶する風景です。
色々考えさせられます。

屋根に登って 助かった?? なんだ この鉄骨の曲がり具合は??
ステージが有ったのか? そこだけ弱くて 一気に海水が放出されたのか??

とにかく、写真では伝わらないインパクトのある惨状です。
実際に見た人でないと この悲惨さはわからない。
陸前高田市民体育館

あまりの衝撃の強さだ。

陸前高田市民体育館の周りを散策してみる。

何があったんだろう…・
ぶっとい鉄骨がグニャグニャに曲がっている。
広島に帰ってきたときに、誰かが 津波が来た時も 何かにつかまっていたら 助かるんちゃうん と言っていたが、
僕も水泳は得意な方なので、(2km位は泳げるので)助かるだろう・・・ と今まで安易に考えていたのですが、

この鉄骨の曲がり具合をみて 鉄がかなわないのに、 人間の骨と筋肉がかなうはずない…
自分が、どれだけ愚かであるかを思い知らされた。

「自分は助かる」という 思いは 無残にも飛び散り、自分の行動に後悔する事になる。
津波注意報が出ているとき、嬉しげに見に行っている人が今でもいるが、
絶対にやめた方が 良いと思った。
こんな風になるから…
陸前高田 曲がる鉄骨

この鉄骨の近くで 更地にぽつんと モノが置かれているところが有った・・・
なんだろう・・ と近づいてみると 風化で痛んだボールと 
?? アルバム?? が有った。
陸前高田 放置されたアルバム

アルバムを少し開いてみた
津波の影響と1年半放置されていた事もあり 風化が進み 少し手を触れると
ボロボロとビニールが剥がれる。

慎重に開いてみると 時折 特定人物が載っている写真、 結構きれいな状態の写真もある。

ふと考えた アルバムが見つかった事で元気が出た人もいるという。
この人を ネットで写真を掲載して 写真をお返しすることができるのではないだろうか… と

そう考えたが、それが出来るなら とっくにやっているんじゃないかなと・・
何故 みんなやっていないんだろう・・・ 

要するに、個人情報保護法が引っかかっているのか・・・ と気づく・・・

なんだか 窮屈な世界です。
確かに、見方を変えると 見つかってほしい写真とは限らない
顔が一般に触れるだけで訴えられる可能性もある。

そう考えながら、何枚かアルバムをめくる
けっこう 可愛い女性が いつも中に写っている。

盗み見とか趣味じゃないけど いつの間にか「男」になっている自分に気づく…
情けないというか…

だからこそ、こんな感情もわいてくる

「この女性 生きてるよね・・・ 生きていますように・・・」
陸前高田 放置されたアルバム


陸前高田 最後に向かった箇所が 高田高等学校
ここは、以前、24時間テレビの企画で嵐の桜井君が訪れた場所だ。
県立高田高等学校

まず、目を引くのは、「捜索終了」と言う文字
いつから掲示されているのだろう…
写真ではわからないが、僕の中では この掲示板の存在感は相当なものが有った
人の色々な想いがこもった「捜索終了」なのである。
県立高田高等学校

桜井君も紹介していた 靴箱
先生だったんだろうか・・・ 表には「ありがとうございました」と文字が刻まれており
中には、花が添えられている。

この人は、きっと 愛されていたんだろうな・・・

一人一人にストーリーがあって、そのストーリーに支えられて生きてきた人もいる
この靴箱 一つ一つにストーリーが有って、被災ですべて無くなった中での 唯一ストーリーが詰まった空間。 そう感じた場所だった。
県立高田高等学校 下駄箱
県立高田高等学校 靴箱
県立高田高等学校 靴箱

校舎から少し離れて 体育館? と言う場所に来てみた。
波がズドンと押し寄せる その威力を感じる。
写真で見るより 建物はとても大きなものです。 
県立高田高等学校 体育館

体育館の中を覗いてみましたが、 もう 何がなんだか・・・
色々なモノが流れ着いて ぐちゃぐちゃです。
県立高田高等学校 体育館

天井に、服やら新聞やら 引っかかっています。
いわゆる そこまで津波の高さが有ったことを意味します。

体育館の天井ですよ・・・・ 
県立高田高等学校 体育館

体育館側から見た校舎
県立高田高等学校 体育館

被災した体育館のそばで咲く花
県立高田高等学校

っていうか、遠くから見たら 体育館が津波で動かされて 校舎にめり込んでいる。
信じられない…
県立高田高等学校

最後に、高田高等学校から奇跡の一本松付近 高台の方へ抜けるまでの
走行動画です。

2012年9月14日現在の状態です

陸前高田を周ってみて気づいたことを少々
僕が、被災箇所を周っている間、何グループかのツアーと遭遇した
被災所ツアーと言うものが存在するらしい。

この被災所めぐりツアー あなたはどう思いますか??

広島など遠く離れた影響のない所に住む人からすると とんでもない!
と、思うかもしれない。

人の不幸を儲けに使うなんて・・・ と 思うかもしれない・・・

でも こうやって実際に被災地に足を踏み入れて思うことは、
ツアーであろうがなんであろうが、どんどん来るべき! だと思った。

現場を見ないで、何を語れるというのだ
被災地の方 何人かとお話ししたが、その方々、皆 どんどん来てほしい と言う

支援しないといけない とか ボランティアしなければ とかなんて考えなくていい・・・

ただ 見て帰るだけでいい・・・  それだけでいい・・・ 



次回は、気仙沼です。
元気の良いお姉さん 大学生の登場です。
辛さの中で 元気の出る話になりそうです。

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