2012年11月12日月曜日

NC700Xで行く被災地回り⑦ 「こういう若者が日本を強くするのだと思う」

 どこまで書いたっけ・・・
気づけば、一か月も空いてしまっている。。。
ここ数週間 めちゃめちゃ忙しかったので 間ががっぽり抜けてしまった。
いやいや、たまに 待ち合わせの時とか、喫茶店とかで
スマートフォンにブルートゥースキーボードつけて一生懸命 記事書いてたんですよ。

そうそう 道の駅で若者二人に出会ったところだったよね。

道の駅の室内にロードバイクを持ち込み
一人は机で書き物をして、一人はiPhoneをいじっていた。
「大阪から来たんだってねぇ マシンガントークのおばちゃんから聞いたよ」と話しかけると

若者二人は、笑っていた。
龍谷大学の 松原君前川君

しかし、関西から東北まで自転車で来るとは大したもんだ。
聞きたいことはいっぱいある。

バイクで東北を回るだけでも結構な荷物なのに
どういう荷物をもって移動しているのか
洗濯物は? 風呂は?
汗かくでしょ・・・

答えは、服は最小限で、どこかで洗っては着ての繰り返し・・・

え? 体臭くなるでしょ・・・

そういえば、僕もホテルに泊まれなかったので 3日間風呂に入れそびれている。

気仙沼のマルシェの時もそうだったけど
女性の前で話をするのが 少し気になっていた
体 臭っているんじゃないかな? と

すると 若者は、ドヤ顔で
「ファブリーズ!!」
マジで?あれ 体にかけてええんかよ・・・

でも 正直 その手はありだなぁ と思った。

そんなこんなで 色々話をした。

そうだ 今から どっち方面に向かうの?

今から 青森向けて 北海道に渡って
船で 福井の敦賀まで戻ります。。

という。

だったら 気仙沼も通るよねぇ!
一つ頼まれてほしいんだけど。

若者が不思議そうな顔をしていたが

気仙沼のマルシェでみやげの賃金を払い忘れていることを説明。
そして、その賃金 3000円ほどを小野寺姉さんに渡しておいてほしい。 と、たのんだ。 これも 何かの縁

若者は、快く引き受けてくれた。

そこから日が変わるまで、経営の話とか旅の情報を交換したりした。色々話して楽しい時間を過ごした。

松原君の方は、チャリで大阪~沖縄まで行ったことが有るんだと
色々な、経験を積んだらしい。

松原君も前川君も 経営者と言う立場の人間からして
とても魅力的な人間。

何故かって? そりゃ 「やり抜こうとする力」「チャレンジ精神」 それが一番だし
もう一つは、これだけの行動力もあるのだから、話題の引き出しも多いはず
話題が多ければ、人間関係に有利になる。

彼らは良い社会人になると思う。

さてさて、彼らも自転車で旅をしているわけだし
疲れさせるわけには行かない。
僕も、テントに帰って寝ることにした。

周りは真っ暗で 車の通りも少ない
非常に静かなところだ。

普通だったら怖いはずなのに、
近くでも 同じように旅をしている人が沢山おられると思うと なんだか心強くおもった。

そうだなぁ 自転車、バイク以外でも
車で車中泊している人は、結構いました。

何だろう 疲れもあるのか 頭痛もよくなっていたのか、すぅー っと眠りについていた。


5時ころ 目が覚めた。
テントのチャックを開き、外に出てみると
広がる風景が目に入る。



霧が立ちこめているが、なかなか気持ちの良い朝だ。

バイクの方へ荷物を取りに行くと
夫婦が、ベンチで朝ご飯を食べていた。

この人も、車中泊っぽい。 被災地を回っているのかな? って 考えていると、奥さんの方が僕に気づいて歩み寄ってきた。

リンゴを差しだし、余ったのでどうぞ。 っと

とても おいしかった。
こういう出会いで頂いたものって 何でこんなにおいしく感じるんだろうね・・・

リンゴをかじりながら、トイレに行くことにした。

あの若者が寝ていたところだ。

自転車だし、もう出発したかな・・・
建屋にはいると 人間の足が陰から見える

まだ 寝ているようだ。 起こさないように
そぉ とトイレをすまし、
とにかく、前日 通り過ぎてしまった南三陸に戻らなければいけない。

道中、宿泊を断られたホテルがあったな・・・
温泉とも書いてあったので 風呂にも入りたい
きっと 朝風呂もやっているだろう。

期待しつつ、走行の準備をする。
テントをたたみ、荷造りをする。

バイクに、積載し、色々準備をしていると
昨日出会った パワフルおばちゃんがやってきて
もう行きそうだったので、送りに来た と言う。

何とも 律儀な方なんだろう。
たぶん もう出会うことは無いと思うけど 忘れません。

そうそう まだ 寝ている学生諸君も
facebookでは友達鳴ったけど また出会う日まで・・・

ちょっと悲しい気持ちで、おばちゃんに 大きく手を振りながら、道の駅を後にした。

バイクだと 十数分走ると すぐに 昨日宿泊を\断られたホテルがある。 自転車だと 何時間かかるんだろう・・・ なんて 考えながら 温泉温泉!
時間は、7時位 朝風呂の時間だ。

昨日もお世話になったカウンターにまた出向き、
すみません。 温泉に入ることできますか?
と 聞くと、
カウンターの人が、申し訳ございません。 温泉は12時からなんです。。

と、

またしても 断られてしまった!

ここで、入っておかないと 今度いつお風呂に入れるか わかったもんじゃない・

とにかく 風呂があくまで 5時間ある。

仕方がないので、南三陸町を先に回ることにした。

ホテルからは、目と鼻の先

ホテルは、小高いところにあるので、南三陸を一望することができる。

昨日は、夜中で全く見えなかったが、 こうやって見てみると、ここもまた 津波で街の奥の方までなんにもなくなっている。

むぅ・・・ 

小高いところから、南三陸防災センターまで車載動画をご覧ください。

ここもまた、皆が知るストーリーがあるところ

テレビでは女性アナウンサーの事を知ってはいるけど
こうやって時実際に、近くにいるんだと思うと・・・

ここで、一生懸命避難を呼びかけていたのだと思うと・・・

ここもまた、海から離れているのに、3階部分の壁すらない。 




申し訳ないけど、僕がここにいたのなら、津波が来ると言われても ピンとこないかもしれない
まさか ここまではこないだろう・・・と

津波に対するスケール、考え方をやはり変えなければいけないんだ。

僕が今住んでいる広島なんて、妻が働いている マツダなんて 完全に水没する イメージするなら宇品港から海田、商工センターが更地になったような感じ。
想像できます? 非現実的世界です。 それが実際に起こってしまったような世界です。

仏壇で、手を合わせていると、
一台、少し派手目な横浜ナンバーのワゴンが、入ってきました。

ごめんなさい そういう眼で見ていたのですが、
降りてきた若い夫婦

お供えものを沢山抱えて 防災センターに供えていました。 

そのお供えものの量がすごい 気になったので、 声をかけてみた

すみません。 誰か知人でも・・・

と聞くと 旦那さんの方が
いや、そういう訳じゃないんだけど ずっとこれなかったんでね 申し訳ない という気持ちで・・・

車の格好とはぜんぜん違う人格でびっくりした。
すごい 良い人じゃないか!!

じゃ、先を急ぎますんで、 と横浜ナンバーのイカツイワゴンは走り去って行く

入れ替わりに、軽のワゴンが入ってくる。
横には、「お好み焼き」と書いてある。

もしや!! と思って ナンバープレートを見ると

やっぱり!!!
広島ナンバーだ!

これは、無視できない!!

広島から来られたんですか?

すると おっちゃんが そうよ! 君は?

僕も広島なんですよ! 

おっちゃんは、献花代に行き、手を合わせている。
どうも急いでいるようだ。

また、運転席に戻って行く。
戻りながら、君 何日目?

そういえば、広島を出て3日目に入った。

すこし、自慢げに 僕3日目です。
1週間の予定で、東京まで南下しようと思っているんですよ。 

と答えると、

おじちゃんは、走り去りながら
俺、92日目ぇ~! がんばれよぉ~!

と、叫びながら 走り去っていった。


かっこえぇ!!!!

っていうか ドヤ顔していた 自分が恥ずかしい。

世の中には色んな人がいるんですね。

こんな、被災地のド真ん中で不謹慎かもしれませんが
人と出会えること、話せること、つながれる事が スゴイ幸せと感じました。 

震災は、そういうことの重要さも一緒に訴えているのかもとも思いました。

防災センター付近はどうなっているのか
少し奥の方までバイクを走らせ
とった写真です。


空を見ると 雲一つ無いいい天気になっている。
今日も暑そうだ。 道の駅から南三陸までは
霧で肌寒かったが、すっかり霧も晴れている。
時計を見ると まだ8時になるかならないか・・・

この分じゃ、温泉が開く12時まで待てっこない・・・
いっそのこと石巻まで行ってしまおう と判断。
南下のコースをたどる。

この道を通るのは3回目だ。

例の泊めてくれなかった、風呂にも入れさせてくれなかったホテルを通り越し、南下 南下

そういえば、野宿した道の駅も通ることになる。

若者二人が気になる。

さすがに もう出発しているだろう。
すれ違うだろうから、そのときに 風呂が12時からというのを 伝いといてあげようかと・・・

しかし、走ってもハシっても彼らに会うことができない。

なんだかんだで、結局 道の駅まで帰ってしまった。

どこか、違うルートで走っているのかなぁ・・・

と、また 道の駅によってみると、一人は、
外のベンチで爆睡 もう一人はテーブルでふさがって寝ていた。

オイオイ・・・ もう9時になろうかというのに こんなのんびりで ええんやろうか・・・

お~い おきろよぉ! 

余計なお世話かもしれんけど 叩き起こす。

さすがに 出発せんとマズイんちゃうん・・・
なんぼ時間あっても北海道つけへんで・・・

外の生活に慣れると ここまでズブトくなれるのかぁ
と、もう一人の彼は どこでも寝れるらしい。
この間は コンビニの駐車場で普通に寝ていた とか

そうなんだよね、 本来 人間 どこで寝ても良いと思うんだが、なぜ周りに気を利かせなければいけないのかというのも 実は疑問。
トイレも我慢する生き物って人間だけらしいし

それが、社会 っていうもんかね

しばらく、また若者と話をし、温泉のことや南三陸の伝達をした後、 今度こそ 本当にお別れの時がやってきた。

すると、また あのパワフルおばちゃんがいた。

いやぁ 似たようなバイクがあって まさかなぁ って思ってたけど!

おばちゃんとは、今度こそ お別れだね って
握手をして、まだ そこから先 走ったことのない道を南下する。

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